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歯と心臓の病気との関係性について
 

先日「心内膜炎」により、心臓の弁の手術をされた患者さんが来院されました。
一見、歯科とは全く関わりのないお話かと思われるかもしれませんが、その方がなぜ心臓弁の手術をしなくてはいけなくなったのか。信じ難い話ですが、原因は歯にあったのです。

心内膜炎の原因菌としてはブドウ球菌や溶血性連鎖球菌が有名ですが、歯周病原菌もその発症に大きく関わっていることが最近わかってきました。

この方はグラグラ動いている歯を、ご自身の判断で我慢に我慢を重ねて、長年放置した結果、歯周病原菌が血液中に入り込み、菌血症の状態から細菌性心内膜炎を引き起こしてしまったのです。



心内膜炎とは
年齢と共に私達の血管は動脈硬化を起こし、血管内皮細胞が炎症状態となり血栓などを形成しやすくなります。

私たちの心臓の心室には4つの弁がありますが、歯周病などにより血液中に入り込んだ病原体が動脈硬化を起こした複雑な形態の弁にひっかかると大変やっかいなことになります。
そして、弁に引っ掛かった病原体は弁膜部で増殖し※1疣種(ゆうしゅ=Vegetation)とよばれる特徴的なイボができてきます。                  

ただでさえ血液の通路が細い弁にイボができたらどうでしょうか。
血液の流れが悪くなるとともに、特に弁を機能させる筋肉にまで炎症が及ぶと※2塞栓や不整脈を起こし、死に至る場合もあります。

これが心内膜炎です。

特に血圧の高い人、高年齢、高脂血症の方は動脈硬化が進んでいると推測されますので要注意です。
今まで、原因不明の心内膜炎と診断された多くの症例の中には歯周ポケットの深いこと、口腔内の清掃性の悪いことが大きく起因していることが最新の研究からわかってきました。

歯1本1本には寿命があると同時に保存できる限界というものがあります。
大きくグラグラしているような歯や「限界」と言われた歯を残すことは、口の中の問題だけでなく、全身の健康を脅かすことにも繋がるのです。


※1疣腫(ゆうしゅ=Vegetation)
弁の周りに血栓が形成されると同時に細菌感染を起こした結果、その部分がいかにも植物がおい茂っている様に見えることからベジテーションと呼ばれています。

※2塞栓
血管の中で、血栓が形成され脈管の細くなった部分に流れ込んで、血液の流れをふさいでしまうことがあります。この流れをふさいでいる状態を塞栓とよんでいます。


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